働く意味を障害者施設で知りました
この3月まで、厚生労働省の委託で、障害者施設と民間企業がコラボする事業の支援をしていました。そして担当になった福井と広島の施設に数度づつ伺いましたが、そこでは幅広い年齢層の様々な障害を持った方々が、楽しそうに一生懸命に働いておられる姿を見て感動しました。
担当の方に話を伺うと、働く必要のない方まで、わざわざ施設に来て仕事をする由、なぜこの人たちはこんなに懸命に働いているのか、私は働く意味を考え、やはりそれは幸せになるためであることを確信しました。
だいぶ前ですが、障害者雇用の先駆者である日本理化学工業、大山社長が出演されたカンブリア宮殿を見たことが有ります。大山社長は、1959年に初めて障害者の方を雇用され、それは「かわいそうだから」という感情での雇用だったそうです。
しかし、大山社長は、昼休みのチャイムにも気づかないくらい懸命にラベル貼りをしている2人の少女の姿を見て、「なぜ、こんなにも熱心なのか?なぜ、3食付きの施設にいた方が幸せなのに 毎日満員電車に乗って会社に来るのだろう?」と考えたそうです。
その事を、とあるお坊さんに尋ねると、「人の究極の幸せは、愛されること、褒められること、役に立つこと、人に必要とされることの4つです。愛されること以外は、働いてこそ得られます」と言われ、「人の幸せを叶えられるのが会社なら、知的障害者を一人でも多く雇用しよう」と考えるようになったそうです。
やはり施設にいて、「貰ってばかり」では幸せにはなれないのです。愛されたい、褒められたい、役に立ちたい、必要とされたいということが叶えられるからこそ、素直に物事を捉える人の多い障害者の方が、懸命に働かれるのでしょう。
障害者ならずとも、働く仲間のみなさんが幸せを実感できる、そういう温もりのある職場をつくる支援を是非やりたい、そう心から思わせていただいた障害者施設の支援事業でした。
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