2.95%と0.25%

とは何の数字かご存じですか?タイガースの勝率、違います。もう少し高いです。すぐに分かったあなたは、なかなかの金融通です。

2.95%とは、米国の長期金利の指標である米国10年国債利回り、先週とうとう3%近くまで上がってしまいました。(めまい級です・・)かたや0.25%は、日本の指標、新発10年国債利回りです。いま日米の長期金利差は、なんと10倍以上の差がついているのです。なぜここまで差が開いたのか。それは日米の金利に対する施策と、日本の貿易赤字拡大によるものです。

まず米国、ニュースの通り、パウエルFRB議長は、インフレを抑えるために、今回は0.5%、年内2%の利上げペースと、量的引き締めペースを加速させると強気に言って張ります。一方の日銀黒田総裁、長期金利の上昇を抑えこむため、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指値オペ」をやるとかたくなに言ってます。金利の上昇を抑え、黒田ラインの0.25%を死守し、2%の物価上昇を何が何でも達成すると意地を張ってはります。    

よって日本の長期金利は0.25%以上上がらない見通しに対して、米国の金利は今後どんどん上がる方向なので、金利差は開き続け、当然ドル買い円売りが加速し、ゴンゴン円安になります。加えてここ最近の急激な円安は、日本などの投機筋の動きが大きく影響しています。投機筋はこの流れを読み、急速なドル買い円売りを仕掛けているので、輪をかけて円安が進行します。  

今後当面は、米国の金融政策姿勢が変わるまで、円安の流れは続くでしょう。しかしながら、さすがに日銀もこの悪い円安を懸念し、長期金利の上昇を一定程度容認し、2%の物価目標達成を見直し、先行きの金融政策を正常化させる方向性を打ち出せば、円安の流れは変わるかもしれません。

しかし肝心なのは政府です。日銀ばかり論じられますが、国のかじ取りは政府です。いつまでも金融緩和効果に頼らず、市場機能の回復を通じて、市場や経済の安定を図ることを重視する方向に舵を切り、国がこのまま沈んでいかないよう早急に手だてしていただきたい。

しかしながらもっと肝心なのは、国民の必要以上に国に、他に依存しない意志です。国民ひとり一人の創意工夫です。国民ひとり一人のアニマルスピリットがベースになることは言うまでもありません。   今回もご購読いただき誠に有難うございました。次回も是非ご期待ください。  

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